つやま産業支援センターでは地域の高い技術を生かしてブランド化し、全国に発信する「Made in 津山」プロジェクトを推進しています。今まで大手企業への納入がメインで自社名が表に出ることがなかった企業が「ファクトリーブランド」として直接顧客に販売できるようになります。
今回「Made in 津山」ブランドプロジェクトに参加して、高品質な国産ネクタイブランド「笏の音(しゃくのね)」SHAKUNONÉを立ち上げた株式会社笏本縫製様の事例をご紹介します。笏本たか子代表取締役と笏本達宏専務取締役にお話を伺いました。
―事業内容について
現社長の母が共同の内職場のような形で、自宅で縫製業を始めました。カッターシャツの縫製やコートの穴かがりなど、注文が来た縫製加工の仕事を受けていました。
18年ほど前に現在の工場へ移転して、婦人服や子供服の縫製をしていたのですが、10年ほど前からネクタイの縫製を始めました。当時ネクタイについてのノウハウを持っていなかったので、ネクタイをばらして型紙や裁断を勉強して独自の技術で製品を作るようになりました。
現在では、受注内容のほとんどがネクタイです。
―御社の強みは
独自にネクタイ製作の技術を習得してきたので、ネクタイの現品やラフ画、写真からでも型紙を起こして製品を作ることができることです。生地さえあれば、最終製品のイメージを伝えてもらうことでネクタイを作れます。
また、縫製ラインの改良を重ね、様々な発注に対応しています。
―オリジナル商品を作ろうと思ったきっかけは
会社としてさらにステップアップするため、津山のものづくりの技術や品質を直接お客様にお届けしたいと思って、自社製品のアイディアを考えたり勉強したりしていました。ただ、製品を作る力はあっても、販売するノウハウがなかったので足踏みをしていました。
そんな時に、つやま産業支援センターから「支援するので自社ブランドの商品を作ってみないか」という話があり、思い切って挑戦することにしました。
―オリジナル商品を作る際に苦労した点は
仕入先を見つけることです。これまでの縫製加工の仕事は、発注元から材料を支給されていたので、ネクタイ生地を自社で仕入れるという経験がありませんでした。生地をどこから、どのように仕入れるのか、という所から手探りで始め、発注方法や生地メーカーとのコミュニケーションの取り方など、分からないことがたくさんありました。今も勉強中です。
―オリジナル商品を作って良かったと思う点は
気持ちが前向きになります。あんなこともこんなこともしてみたい、といろんな夢が出てきます。
今までは加工業者としての仕事をしていたので表に名前が出ることはなかったのですが、今回「Made in 津山」ブランドプロジェクト第1弾として新聞にも取り上げてもらい、知り合いからも様々な反響があり、面白いと感じているところです。